求人やテレビなどで目にする機会が増えてきた無期雇用派遣。 普通の派遣と違うのはわかるけど、明確な違いがわからない方は多いと思います。 無期雇用派遣だから、正社員と同じで安定して働ける?このように考えている方も少なくないのではないでしょうか。 しかし、正しく理解して活用しなければ一生後悔する可能性があります。 今回の記事では、無期雇用派遣の説明や普通の派遣との違いなどをわかりやすく解説していきます。 就職は今後の人生の幸福度を大きく左右する一大イベントですので無期雇用派遣のメリット・デメリットも良く把握しておきましょう。

無期雇用派遣(無期雇用派遣労働者)のデメリット

無期雇用派遣で働くデメリットは大きく分けて4つあります。
  1. 他企業の正社員同様に採用試験や面接がある
  2. 給与改定が遅い(給料が上がりにくい)
  3. 派遣先企業を選べない・仕事を辞められない
  4. 職場の異動が多い

他企業の正社員同様に採用試験や面接がある

悩む子猫 登録型派遣と違って、無期雇用派遣への応募後には選考があり、選考に通った人だけ試験および面接を受けることができます。 試験と面接を受けたからと言っても全員が合格できるわけではなく、一部の方しか無期雇用派遣(正社員)として採用されません。 ここまで採用が厳しい理由ですが、派遣先に就業していなくても派遣会社側は毎月給料を支払わなければいけません。 そのため、すぐにでも次の派遣先に派遣できるよう「どの職場でも」「即戦力として」働くことができる能力が高い人材を求めているからです。

給与改定が遅い(給料が上がりにくい)

登録制派遣社員の場合、能力が高くて派遣先企業からの評価が高い場合は、時給が上がりやすいです。 その理由は、派遣会社から派遣先企業への請求金額をあまり高く設定していない場合が多く、派遣社員の評価が高い場合、派遣会社が派遣先企業との時給交渉を行いやすいためです。 しかし、無期雇用派遣の場合は、派遣先で就業していなくても給料が発生する(固定費)ため、派遣開始の時点で企業への請求金額を高く設定しています。 そのため、派遣会社側も企業との請求金額アップの交渉が行いづらくなります。 一応、無期雇用派遣サービスを提供している各社とも評価制度を設けており、「毎年昇級のチャンスありますよ」、と言ってはいますが、実情は上がりにくいです。 一般職の女性社員(正社員OL)が給料が全然上がらないと話すこと多いですが、その状況と同じになってしまいます。

派遣先企業を選べない・仕事を辞められない

あなたが感じる派遣社員で働くメリットに、どのようなことが思い浮かびますか? いろいろあると思いますが、重要なメリットの1つに「働きたい会社・場所で働ける」が思いつきませんか? しかし無期雇用派遣社員の場合は残念ながら、働きたい会社や場所を選ぶことはできません。 派遣会社から派遣された会社で働く必要があります。それが、自分が嫌いな会社や業務だとしても。。。 そして、派遣社員のもう一つのメリットに「仕事が辞めやすい」があげられると思います。 残念ながら無期雇用派遣ではこのメリットも受けられません。 たとえ派遣先がどんなにつらい仕事で、どんなに環境が悪くても、簡単にやめることができません。 派遣先を辞める際、最悪の場合は派遣会社からも退職しなければいけない可能性も非常に高いです。

職場の異動が多い

無期雇用派遣のメリットの中で、「転勤がない」とお伝えしましたが、その代わりに、様々な会社に派遣されます。 無期雇用派遣社員は働いていないくても給料が発生するため、派遣会社としては、働いていない期間を作りたくありません。 そのため、派遣会社自体が「この会社どうかな?働く環境よくないかな?」と思う会社にでも、派遣されてしまう可能性が非常に高いです。 様々な会社に派遣される訳なので、全く違う社風の会社で働くことになり、肉体的にも精神的にも疲れてしまうことが懸念されます。 また、職場でせっかく仲良くなっても、すぐ別の派遣先で就業する可能性があるため、コミュニケーションを深めることも難しいかもしれません。 無期雇用派遣は契約期間の定めがないことがメリットでもありますが、このように様々なところに派遣され、そのたびに社風になれることやコミュニケーションを築いていくことに疲れてしまう可能性もあります。 比較的自由に働ける環境を求めて派遣社員としての働き方を選んだはずが、実は正反対の働き方を選んでしまうことになります。

無期雇用派遣(無期雇用派遣労働者)のメリット

もちろん無期雇用派遣はデメリットだけではありません。登録型派遣にはないメリットがあります。
  1. 雇用が安定する
  2. 給与が月給制
  3. 賞与・地域手当・交通費が支給される
  4. 派遣会社の正社員と同じ福利厚生の対象になる
  5. 転勤無しで通勤時間が短めの職場で働ける
  6. 手厚いフォロー・研修体制

雇用が安定する

就業先企業の有無に関係なく毎月一定の給料がもらえるため、派遣先の動向を気にせず安心して働くことができます。

給与が月給制

登録型派遣社員の場合、給与は時給で支払われることますが、無期雇用派遣では月給制の給与となります。 時給ではなく月給になるため、労働時間が短い派遣先で働けるとラッキーかもしれません(笑)

賞与・地域手当・交通費が支給される

無期雇用派遣社員になると、賞与が支給されます。各社サービスによりますが、基本は基本給の1ヶ月分が年に1度賞与として支払われます。 ほかにも就業する地域(東京や千葉、大阪など)によって地域手当が支給されます。 登録型派遣の場合、時給に交通費が含まれている場合が多いですが、無期雇用派遣の場合は月給とは別途交通費が支給されます。 また、交通費は課税対象外となるため、若干ではありますが毎月の税金などが安くなります。

派遣会社の正社員と同じ福利厚生の対象になる

派遣会社の正社員として採用されるため、福利厚生も手厚くなる場合が多いです。

転勤無しで通勤時間が短めの職場で働ける

正社員として働く上でマイナスになる点が転勤だと思います。しかし、無期雇用派遣で正社員になったとしても転勤になる可能性がありませんので、安心して働くことができます また、働く地域も決まっており、通勤時間が2時間を超えるような場所で働くことはまずありません。

手厚いフォロー・研修体制

無期雇用派遣社員は優秀だからこそ派遣会社も大切にしたい存在です。 そのため、営業やコーディネーターのほかにも専任のサポートスタッフがつく場合が多いです。 また、会社の顔として各企業で活躍してもらうため、スキルアップの研修体制がとても充実しております。 1ヶ月に1回のスキルアップ研修や通常であれば有料であるスクールでの無料受講など、登録型派遣社員では受けられないようなサービスを受けることができます。 それだけ、派遣会社も気合いを入れて育てたい考えがあるのですね♪ 関連記事:【徹底比較】無期雇用派遣おすすめ派遣会社ランキング!事務職未経験から正社員に!

そもそも無期雇用派遣とは?

無期雇用派遣とは派遣会社があなたを直接雇用し、派遣先に就業させる仕組みのことをいいます。 一般的な登録型派遣と異なり、派遣会社(スタッフサービス:ミラエールやアデコ:キャリアシード)に直接雇用されることで、派遣先企業がなく仕事をしていない期間もお給料がもらえるようになります。 現在は事務職メインかつ関東や関西圏を中心にサービスが展開されており、今後は事務職以外の営業職などにも適用されていることが予想されます。 また、期間の定めがなく派遣会社の正社員として採用されるため、契約期間を恐れることなく、長く働くことができます。 2018年の労働法改正や派遣法改正などによる労働者(派遣社員)の大幅な雇用条件の変更が見込まれます。 そのため、今後派遣会社が積極的に推進していく制度でもあります。

通常の派遣(登録型派遣)との違いは?

ざっくり登録型派遣を説明すると

子猫とうさぎ 登録型派遣(通常みなさんが利用する派遣)は、派遣会社に「登録」するだけで派遣会社から仕事が紹介されます。 登録の際は派遣会社の登録センターなどに行き、個人情報や経歴・資格などを登録し、コーディネーターと面談後に仕事紹介が受けられるようになります。 最近はWEB上で本名や住所、経歴や資格だけを登録するだけで仕事紹介が受けられる派遣会社も増えてきました。 派遣先が決まらないと、給料ももらえなく、また、就業中でも派遣先との契約終了などがあるため、雇用が安定しません。

ざっくり無期雇用型派遣を説明すると

無期雇用派遣は、「派遣会社」と「労働期間の定めがなく」「雇用契約」を結ぶ制度です。 派遣先企業が決まっていないくても毎月給料が発生します。そのため派遣先企業で途中で契約終了になったとしても、給料が発生するため、労働者側は安心して就業することができます。 派遣先で就業していなくても派遣会社側は給料を支払う必要があるため、無期雇用型派遣社員(正社員)を慎重に採用する必要があります。 そのため、登録型派遣と異なり筆記試験や採用面接などがあります。 簡単には無期雇用派遣社員になれないってことですね。 関連記事:【徹底比較】無期雇用派遣おすすめ派遣会社ランキング!事務職未経験から正社員に! 無期雇用派遣がある派遣会社

無期雇用派遣社員ってぶっちゃけどうなの?

契約期間に定めがないことや賞与や交通費が出ることは魅力的です。 しかし、現役の派遣会社社員から見てみ、派遣社員の最も魅力的な働きやすさや自由度が高い点がないため、メリットはあまり感じることができません。 賞与や交通費が出ることは正社員としては当たり前ですし、1つの企業・部署で長く勤めることができます。 もし、正社員の安定や肩書きがほしいのでしたら、自分で転職活動を行った方がいいです。

2019年は売り手市場。20代なら社会人経験ゼロでも正社員になれる

もしも、あなたが20代ならば、2019年は正社員に就職する絶好のチャンスです。 2019年現在の転職市場は売り手市場で厚生労働省『一般職業紹介状況』によると正社員の有効求人倍率は1.06倍となっいます。 一般職業紹介状況(平成30年3月分及び平成29年度分)について 参照:一般職業紹介状況(平成30年3月分及び平成29年度分)について 有効求人倍率が1.06倍ということは求職者1人あたり1.06件の求人があるということです。 つまり仕事を選ばなければ求職者全員が正社員になれる可能性があるわけなんですね。 リーマンショックがあった2009年前後の有効求人倍率は0.5%と比較すると、今がどれだけ就職しやすい環境であるかが理解できると思います。 しかし、いくら転職しやすい状況だとは言え、やみくもに就職活動をしたところで社会人未経験者やスキルが足りない人を採用してくれるほど、簡単ではありません。 まずは『スキルがなくても若くてやる気があれば採用するよ!』と言ってくれる企業を見つける必要があります。 自分で条件に合う探すのは大変なので、就職支援サービスを活用しましょう。

ハタラクティブならフリーターや中卒でも正社員を目指せる

ハタラクティブ 学歴や社会人経験がなくて不安な人はハタラクティブという転職支援サービスに登録するのをおすすめします。 フリーターや中卒の方でも正社員として採用してくれる企業を紹介してくれ、書類や面接対策も無料で行ってくれます。
  • 自分がどんな仕事に向いているのかわからない
  • 正社員未経験で自信がない
  • どうやって仕事探ししたらよいかわからない
このような方は利用してみてはいかがでしょうか。 また、いつリーマンショックのような不景気が訪れるか分かりません。就職しやすい売り手市場が終わってしまう前に行動を起こしましょう。

無期雇用派遣で働くことに迷いがあれば

登録型派遣社員(一般的な派遣社員)と無期雇用派遣社員で迷われている場合は、「登録型派遣社員」として働くべきです。 派遣社員は働く企業・場所や給料もある程度選ぶことができ、もし派遣先が合わなかった場合は、最初の派遣契約でやめることもできます。 無期雇用派遣で働くと、確かに自分に自信がつくと思いますし、会社からも期待されていると感じるかもしれません。 しかし、働く企業や場所は選べませんし、給料もほぼ固定。 派遣先企業からは一般的な派遣社員も無期雇用派遣社員も同じ扱いがされるので、あなたも職場に不満がたまってくることが懸念されます。 無期雇用派遣はまだ始まったばかりの制度でサービスも未整備の状態です。 派遣会社も日々サービスを改善(改悪)していますが、まだ満足働く人視点で見ると魅力が少ない状況です。 実際に無期雇用派遣の現場を見ている私の意見では、今は無期雇用派遣として働くのではなく、登録型派遣として働く方が、仕事や人生を楽しむ上では間違いないと考えます。 関連記事:【徹底比較】無期雇用派遣おすすめ派遣会社ランキング!事務職未経験から正社員に!
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